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富士山が噴火したらどうなる?

私たちが目にする富士山は、美しい穏やかな山です。
日本のシンボルとして描かれることも多く、日本一の頂を目指して毎年多くの人が登山にも出かけます。
しかし、この富士山は紛れもなく活火山です。300年以上噴火をしていない現在、徐々にその活動を活発化していることから、いつ噴火してもおかしくないといわれているのです。

実際に富士山が噴火したら、どこにどのような影響があるのでしょう? 日本は火山大国ですので、数年から十数年に一度はどこかの火山が噴火をしています。桜島の噴火や雲仙普賢岳の噴火は記憶に新しいところです。これらの噴火には犠牲者がでているものもありますし、地元の住民に大きな被害を及ぼしています。
全国から関心が集まり支援も行われていますが、被害の範囲は現地に収まっていて、全国的な被害を及ぼした噴火というのは記録にありません。
しかし、富士山が大噴火を起こした場合、全国的に大きな影響を受ける可能性が高いのです。



富士山の噴火と首都機能

富士山が噴火した場合、現地の被害も深刻ですが最も懸念されるのは首都機能の喪失です。
噴火によって舞い上がった大量の火山灰は、偏西風に乗って首都・東京へと飛来し、電車や車などの交通網を遮断。小さな火山灰のかけらはコンピューターに入り込んでシステムをダウンさせます。
日本の首都であり、政治・経済の中枢としてほとんどの機能が集中している東京で、官公庁や企業のメインコンピュータがダウンすることは国家経済にとって計り知れない損失をもたらします。さらに外交・防衛面でもコンピューター制御しているものが使えないということは、危機的状況だといえるでしょう。
実際に他の火山での噴火の影響で近辺の企業のコンピューターが壊れたということもないようなので、必ずしもすべてが起こるわけではありませんが、富士山が噴火した際の大きなリスクとして考えておく必要はあります。

もちろんそれ以外にも健康被害や大量に降り積もった火山灰の廃棄処分などの問題が山積みです。
しかも、富士山の噴火と首都直下型地震が連動して起こるという説もありますので、そうなると被害はさらに拡大することが考えられます。

「富士山の噴火と首都機能」の詳しい説明はコチラから


富士山噴火で被害が予想される範囲

富士山の大噴火となると、間違いなく日本で最大級の火山噴火だということになります。当然その影響は大きく、富士山に面する富士宮市、富士吉田市、御殿場市などではかなりの人が避難を余儀なくされます。
行政では、全体のハザードマップに加えて、こうした地区別のハザードマップも作成し、被害が予想される範囲での配布をするなどの活動を行い、スムーズな避難ができるよう周知を徹底しています。
また、溶岩流や火砕流など、起こりうる事象についても理解を深めるとともに、何がどの地区に到達する可能性があるのかも記載してあります。

新燃岳の噴火による火山灰の片づけに追われる人たち ナショナルジオグラフィックよりまた、溶岩流などに比べると格段に広い範囲に飛散することが予想される火山灰は、かなりの量が関東全域に到達することが予想されます。噴火の規模や風向きによっても違いはありますが、日本では基本的に西から東に風が吹いていることを考えると、ある程度の噴火が起これば東京に火山灰が降るのは確実です。もちろん富士山の周辺では30〜50cmもの降灰が予想されるので、火山灰の被害も深刻です。

この火山灰についても、ハザードマップでは予想される降灰量を地図上に示すなどしてわかりやすく解説してあります。

「富士山噴火で被害が予想される範囲」の詳しい説明はコチラから



避難先や避難グッズを確保しておこう

富士山火山防災マップ 富士山火山防災協議会より富士山が噴火を始めたと判断されたら、付近の住民は直ちに避難することが必要になります。
ハザードマップではそのために避難先となる小学校などを明記してあるので、こうした避難所に急いで避難しましょう。

また、火山の噴火では、長期にわたる避難を余儀なくされることがよくあります。
遠くに住む親せきや友人など、避難所や仮設住宅よりも落ち着いて過ごせる避難先を確保しておくと、すぐに移動できなくても精神的には楽になると思います。

さらに、突然の噴火や、避難指示に備えて、普段から避難グッズを準備しておきましょう。避難グッズは、他の災害にも使われる「非常持ち出し袋」の中身に加えて、火山灰から目を守るゴーグルや、防塵マスク、視界が悪くなっても大丈夫な明るいライト、噴石の飛来に備えてヘルメットなども用意しておく必要があります。火山の噴火の避難には、こうした普通の非常持ち出し袋には入っていないものも必要になるので、忘れずに準備しておきましょう。

「避難先や避難グッズを確保しておこう」の詳しい説明はコチラから