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火山噴火の被害例

日本は火山大国と呼ばれるほど火山の多い国です。全国各地に火山があり、そのいくつかは常に活動しているような状態が続いています。もちろん富士山もその一つであり、今後噴火する可能性があることは否定できません。

何万年という火山の歴史の中で、火山の観測や噴火予知が行われるようになったのは、ほんの数十年程度の話です。数百年、数千年に一度しか噴火しない火山が多い中で、これまでに集めたデータは決して十分とは言えません。まして、富士山が前回噴火したのは300年前の江戸時代。ある程度文献は残っているものの、データと言えるほどのものはないのが現状です。そんな中で、参考になるのはやはりここ数十年に起こった火山の噴火ではないでしょうか。もちろん火山によって噴火の起こり方や被害の度合いなどは全く違いますが、それも含めて参考になるものが多くあります。

日本でもここ数十年の間に、三宅島や桜島、雲仙普賢岳などで大きな噴火がありました。それぞれ、溶岩が流出するタイプの噴火であったり、火砕流による被害が大きかったりと特徴があり、桜島では今でも活発な火山活動が続いています。こうした火山の被害例などから、火山の噴火と起こりうる被害などを感じ取ることは大切です。



三宅島の火山噴火

伊豆大島の南に位置する三宅島では、1983年と2000年に大きな噴火が起こりました。1983年には大量の溶岩が流出して集落を襲い、400棟以上の住宅が焼失・埋没する被害をもたらしました。2000年には水蒸気爆発などによる火山弾や火砕流などが発生しましたが、全島避難の実施により死者は出ませんでした。この時の奇跡的とも言われる迅速な避難は、その後の防災にも参考になるものです。

三宅島の火口から立ち上る火山ガス 気象庁HPより 2004年には避難指示が解除され、現在では2700人ほどが島に戻って生活をしていますが、三宅島の火山からは現在でも大量の火山ガスが放出されており、島民はもちろん観光客にもガスマスクの携帯が義務付けられています。最近では復興も進み、漁業や観光産業なども復活を遂げつつあります。

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桜島の火山噴火

鹿児島の湾内に位置する桜島は、現在日本で最も活発に火山活動を行っている火山です。特にここ数年は噴火の数が増加しており、年間1000回前後も噴火が行われています。このような活発な火山の近くに、鹿児島市のような大都市があるというのは世界でも稀で、火山灰と共に生活する鹿児島市民の姿は、現在も噴煙を上げ続ける桜島と共に、注目を集めています。

桜島の噴火による火山灰でかすむ街 市街地に降る火山灰の除去はかなり大変で、火山灰と共に暮らす鹿児島の人たちでも苦労を強いられています。多い日には目を開けていられないほどの火山灰が舞い、洗濯物はとても外には干せません。富士山が噴火した場合にはかなり広範囲に火山灰が降ることが予想されますので、こうした鹿児島市での取り組みは火山灰対策において非常に学ぶところがあるのではないでしょうか。

桜島では現在も平均すると1日3回ほどの噴火が行われていますが、居住区にまで噴石などが飛んでくることはほとんどなく、観光地としてにぎわいを見せています。絶え間なく噴煙を上げる壮大な桜島と、溶岩や火山灰による独特の景観はまさに鹿児島のシンボルです。桜島独特の大きな桜島大根や、小さい桜島小みかんなどが特産品として作られており、土産物として火山灰を瓶や缶につめたものも販売されています。

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雲仙普賢岳の火山噴火

雲仙普賢岳の噴火では、1792年の肥後大迷惑と、1990年の普賢岳の噴火が知られています。

肥後大迷惑とは、普賢岳の噴火をきっかけに眉山が山体崩壊を起こし、その大量の土砂が有明海になだれ込んだことで対岸の肥後の国が大津波に襲われた事件です。その後、大津波はさらに対岸にも被害を拡大し、最終的には15,000人の犠牲者がでるという日本の火山災害史上最悪の事態となりました。

雲仙普賢岳の火砕流 防災科学技術研究所 災害基礎講座HPより また、1990年から頻発した噴火では何度も火砕流が起こり、警告を無視して避難地域に入り込んだ報道陣を中心とする43人が火砕流の犠牲になり、全国に火砕流の恐ろしさを知らしめました。現在でも土砂崩れなどの危険があるため立ち入り禁止になっている場所はありますが、火山活動自体は落ち着いており、噴火の心配はあまりないとされています。

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