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地震が富士山噴火を引き起こす?

気象庁HP地震と火山の噴火に関連があることは、過去の研究からも明確に分かっています。

日本は地震大国であると同時に、火山の多い国ですがそれは決して偶然ではありません。地震も火山も、地球の表面にあるプレートが関連しており、その境目があるところに集中しています。そして、日本の周囲には太平洋プレート・フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの4つのプレートの境目が集中していて、それが地震や火山噴火を誘発しているのです。




地震発生の仕組み

日本列島やユーラシア大陸などは、人間から見ると大きな大陸ですが、地球からみれば表面にほんの少し張り付いた土地にすぎません。地球は大きなプレートによって表面を覆われており、地殻の熱の影響によってプレートは年間数センチずつ移動しています。これだけ大きな地球で年間に数センチの移動は目に見える速さではありませんが、何十年、何百年、何千年と続いていくうちに、確実にプレートが移動する影響は現れるのです。

気象庁HPよりプレートとプレートの境目では、プレートの移動により二つのプレートがぶつかってしまいます。その結果、海側のプレートは陸側のプレートに少しずつもぐりこみ、その際に陸側のプレートは海側のプレートに引き込まれるように少しずつしなっていきます。しなった陸側のプレートが限界に達すると、しならせた竹が勢いよく元に戻るように陸側のプレートも元に戻るのです。その際に起きるのが地震です。

そのため、プレートの引き込みが大きいほど大地震になるといわれており、現在は日本付近のプレートが限界まで引き込まれているため、近い将来の東海大地震などの大地震が起こることが懸念されています。

もちろん地震の原因はこのプレートの反動だけではなく、活断層による内陸型の地震も少なくありません。活断層とは、プレート内部にある亀裂のような傷で、いわゆる直下型地震は活断層がずれることによって起こるのが一般的です。



火山の仕組み

一方の火山は、どのような仕組みで噴火するのでしょうか。

実は、マグマがどのように発生するのかは、完全には解明されておらず、現状では諸説が語られています。

地震発生の仕組みで述べたように、陸側のプレートは海側のプレートに引き込まれるようにして少しずつゆがみが発生します。それによってところどころ亀裂が生じ、そこから地中のマグマが上がってくるというのが一つの説。もちろん引き込む側の海側のプレートにも負荷がかかっているのでこちら側にも亀裂は生じます。海の中に海底火山が多いのはそのためです。

もう一つの説は、プレートが奥に引き込まれていくときに、摩擦が生じてプレートの下のマントルが溶解することによってマグマが生まれるというもの。摩擦によってマントル内の比較的融点の低い物質が溶解することによって上昇流が生じ、それがもっと深いところにあるマグマを呼び込んでいるという考え方もあるのです。

いずれにしても、プレートの動きやひずみがマグマの発生に関係しているのは確かなようで、プレートの境に位置する日本に火山が多いのも頷けます。


地震と火山噴火の関連

では、地震と火山の噴火にはどのような関連があるのでしょうか。

火山の地下深く、マグマ溜まりでは大量のマグマが常に出口を探しながら徐々に溜まっていきます。そんな時に地震が起こったらどうでしょう。地震によって地下から急激に大量のマグマが供給されることもあるでしょうし、突然山に亀裂が入ってマグマの出口が見つかることもあり得ます。いずれにしても、大量のマグマが山から噴出することになるのです。これが地震を原因とした火山の噴火です。

地震には巨大なエネルギーが伴っており、それはマグマを噴出させるには十分であるため、地震が起こると噴火が起こりやすくなります。1703年12月の元禄関東地震の4年後に富士山が噴火したのは、その影響だと考えられているのです。

しかし、火山の噴火が地震を誘発することもあるのをご存じでしょうか。実は歴史上の火山の噴火と大地震の関連を見ると、火山の噴火後に地震が起こっていることも多いのです。

霧島山では1706年の噴火の1年後に宝永地震が、1923年の噴火の2ヶ月後に関東大震災が発生しています。また、1990年から95年にかけて起こった雲仙普賢岳の噴火の後1995年阪神・淡路大震災が起こり、2004年9月の浅間山の噴火の翌月に新潟中越地震が起きているのです。記憶に新しい2011年3月の東日本大震災の直前、同年1月にも霧島山の噴火がおこっており、1986年の三原山噴火も東日本大震災に関係しているといわれています。

地震に先行して火山が噴火するこれらのパターンは、地盤のゆがみが地中のマグマを絞り出すことによって火山が噴火し、その後ゆがみが限界に達して地震が発生したと考えられます。しかし、火山の噴火や地震発生のメカニズムは、まだまだ完全に解明されていない部分も多く、現在でも多くの研究者が地震予知や火山の調査にあたっています。