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火山灰が降りそうなときは

火山の被害の中でも、最も広範囲に被害が及ぶのが火山灰です。 直接生死にかかわるものではありませんが、100km以上離れた場所まで降り積もる火山灰は、粒が細かいため家の中に入り込んだり、電子機器にトラブルを起こしたりと、生活するうえで困ったことがいろいろと出てきます。

しかも、富士山が大規模な噴火を起こした場合、火山灰は2週間以上降り続くと予想されているので、その日一日を家の中でやり過ごしたら大丈夫、というわけにもいきません。毎日火山灰対策を考えながら生活することになるのです。

ただし火山灰は、長期的な被害を及ぼす反面、被害が現れるまでに多少の時間があります。もちろん常日頃の備えも大切ですが、火山灰が降る直前に何をするべきかを知っておくことで、かなり効果的な火山灰対策ができます。



火山灰が降る範囲

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富士山が噴火した場合のハザードマップには、火山灰が降る範囲として東京は千葉を含む広範囲が示されています。範囲が広いことに驚く人もいるかもしれませんが、これは2cm以上火山灰が積もることが予想されている範囲。実際に火山灰が降る地域はそんなものではありません。

もちろん爆発の規模や風向きなどにもよりますが、富士山が大規模噴火を起こした場合には大量の火山灰が成層圏まで噴き上がり、北半球全体に広がる可能性は大いにあります。もちろん日本全国多少の火山灰は降りますから、離れた地方であってもある程度の警戒は必要です。


アイスランドの噴火による火山灰の雲2010年4月〜5月に起こったアイスランド火山の噴火では、大量の火山灰によってヨーロッパ全土の空港が閉鎖されるなどの影響が相次ぎ、その火山灰による雲はカナダやロシアまで達しました。経済的損失も考えると、その影響は世界中に及んだのです。



火山灰が降る前に

火山灰は、火山の噴火と同時に降るわけではありません。火山の噴火とともに噴き上がった火山灰が、徐々に降ってくるわけですから、かなり近くでも数分〜数十分、富士山の噴火で東京に火山灰が降るのは数時間後〜翌日とも言われています。火山灰による被害を最小限に抑えるために、火山灰が降る前にできるだけの準備はしておきましょう。

火山灰が降るときには、基本的には家で過ごすようにします。小石のような粒でも直撃しては危険がありますから、できるだけ外には出ないようにします。まずは、外に出なくても済むように、食料などの調達。ライフラインが止まることはないかもしれませんが、浄水場や変電所のトラブルなどで停電や断水になる可能性もありますから、水の汲み置きや、懐中電灯なども用意しておきましょう。替えの電池なども忘れずに。長期間の降灰中、ずっと家にこもっていることはできないかもしれませんが、火山灰が最も多い期間だけでも外出を最小限に留められるように準備しましょう。ATMが止まってしまっても大丈夫なように、ある程度の現金も手元に置いておきます。

火山灰は、非常に細かい粒ですので窓を閉めていても家に入ってきて家の中がざらざらしてきます。窓はすべて締めて、できれば目張りなどもしておくと火山灰の侵入を少しでも食い止めることができます。テープを張るのが大変ならば、閉めったタオルなどを置くだけでもかなり違います。すぐに必要でない電気製品などは、ラップなどで保護しておくのもよいでしょう。

また、火山灰は雨で流されることなく、逆に水を含んで重く固まってしまう性質があります。雨どいなどに降り積もると雨が降った時に水を含んで中で固まって雨どいが詰まる原因になるので、できれば雨どいなどを外してしまいます。 火山灰が降り始めると、外出にマスクなどが必須になりますので、使い捨てのマスクの備蓄があるかどうかも確認しておきます。また、外出するときは火山灰が付着しにくいようなツルツルした素材の服や、レインコートなどを着用すると家に火山灰を持ち込む量がずいぶん少なくなります。

子どもがいる場合には、家にいるあいだ退屈しないようにゲームや遊び道具なども用意しておきましょう。子どもは特に火山灰を吸い込んだり目に入ったりするのを防ぐために必要以外の外出は避けるようにしましょう。学校での対策なども事前に確認しておくようにするといいですね。喘息などの持病がある場合には時に、家の中でもマスクをするなどの対策をしておきましょう。